<SFCG>偽契約書で資産の有償譲渡装う(毎日新聞)

 経営破綻(はたん)した商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド、破産手続き中)による資産隠し事件で、元社長の大島健伸容疑者(62)らが実際には資産を親族会社に無償譲渡したにもかかわらず、契約書などを偽造して破綻4日前に法務局に登記し、別の親族会社を通じて有償譲渡したように見せかけていたことが警視庁捜査2課の調べで分かった。捜査2課は、二重三重の偽装工作で資産を流出させ、破産管財人や警察の追及をかわそうとしたとみている。【酒井祥宏、川崎桂吾】

 大島容疑者らはSFCGが民事再生法の適用を申請する2カ月前の08年12月26日、簿価で約418億円の資産を親族会社「白虎」(大阪府箕面市)に無償譲渡して資産を隠したとして、民事再生法違反(詐欺再生)容疑などで逮捕された。

 捜査幹部によると、大島容疑者らはこの不正な債権譲渡を隠ぺいするために、SFCGから親族会社「IOMA REAL ESTATE(IRE)」(箕面市)に約130億円で債権を有償譲渡した後、IREから白虎に転売されたように偽装。取引の時期も同11月上旬〜12月上旬と偽り、09年2月19日に法務局に債権譲渡登記をしていた。民事再生手続きは同23日だった。

 大島容疑者らは虚偽登記を正当化するために、複数の契約書を偽造したうえで、社内の稟議(りんぎ)書も書き換えたという。さらに、IREから譲渡代金の一部が支払われたように見せかけるため、関係のない別の資金移動による約55億円の現金振り込み記録を、この際の有償譲渡の証拠として破産管財人に示していた。白虎の設立は資産が無償譲渡される18日前の08年12月8日だった。捜査2課は資産を隠す受け皿として白虎が作られたとみている。

 捜査2課は虚偽登記について、大島容疑者らを電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕している。

 SFCG関係者によると、破綻を避けられないと判断した大島容疑者らが、経営悪化以前の正当な取引を装うために一連の偽装工作を実行したとみられ、工作は民事再生手続き後も続けられていたという。関係者は「破産管財人から取引の不透明さを追及される度に、元社長側から都合のいい契約書や記録が『新たに見つかった』と提出されてきた。書類には偽造された形跡があった」と指摘する。

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野良猫餌付け 癒やしか迷惑か…地域の共生でトラブル回避(毎日新聞)

 野良猫への餌付けは禁止、ふん尿で迷惑をかけた近所の人には慰謝料約200万円−−。近くの猫に餌をやっていた将棋の元名人・加藤一二三さんが5月、東京地裁立川支部でそんな判決を受けた。餌付けが愛猫家のエゴと言われないために、どうすればいいのか。【山本紀子、池田知広】

【関連記事】野良猫餌付け:将棋の加藤九段に中止などを命じる判決

 加藤さんは控訴を断念し敗訴したが、判決については「外で暮らす猫の問題は、皆で支え合っていくというすう勢にあることを認めている」などと評価。「(集合住宅の)敷地外で餌やりを続ける」としている。

 近くの80代女性は「判決後は近所での餌付けは、ぱったりやんだ」と話すが、自宅には見知らぬ人から「猫をいじめないで」と電話がかかってきたという。「私たちはふん尿のにおいに悩まされていただけだったんです」。猫に悩む人たちと愛猫家との溝は深い。

 猫の餌付けトラブルは各地で深刻化している。08年には川崎市と東京都足立区で、09年には千葉県船橋市で殺人事件まで起きた。日本動物愛護協会事務局長の吉野功さんは「猫問題は人口の密集した都市部で顕在化しやすい。餌やりは自由だが、敷地管理者の了解を得たり、生まれる子猫をどうするかなどの対応が必要」と指摘する。

 横浜市磯子区の安達節子さん(55)は、餌やりを始めて10年。毎晩外に出るとなじみの猫数匹が寄ってくる。「いやなことがあっても忘れてしまう」という癒やしのひと時だ。

 食べ残しの餌やふんは始末し、猫には必ず不妊・去勢手術を施す。近所に20匹いた猫は、自然に7匹に減った。一緒に餌をやる森谷美恵子さん(54)は「地域の人とコミュニケーションをとるのが最も大切。町会には猫ボランティアの活動を説明し、防災訓練や公園清掃には参加する」。

 磯子区は99年、全国に先駆け、人と猫とが共生するための「猫の飼育ガイドライン」をまとめた。安達さんらも含め27のボランティアグループが餌付けしている。ガイドライン推進協議会事務局長の獣医、坂田充古(みつこ)さんは「グループが活動する場所で猫は増えていない」と話す。

 カギは不妊・去勢手術。猫は年30匹以上を産むとされ、手術には協議会から助成金が出る。原資は賛同者が払う年会費1000円で、猫に困る人たちも入会して負担している。

 環境省によると、さいたま市や相模原市など約150の自治体に同様の助成制度がある。全国の猫の殺処分数も、約30万匹(96年度)から約19万匹(08年度)に減っている。

 野犬に関しては、狂犬病予防法などに基づき保健所や動物愛護センターが捕獲・処分する場合があるが、野良猫は、明らかに遺棄されたものや飼い主が引き取りを求めたものなど以外は処分の対象になっておらず、放し飼いされた飼い猫との区別も難しい。

 上野動物園元園長の中川志郎さんは「餌を与えるなら繁殖のコントロールは必須で、餌付けする人は、猫嫌いの人と折り合う努力が求められる」と話した。共生は、まずは人間から、のようだ。

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